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潟Cシダ 滋賀事業所 訪問記
報告:藤浪 市郎(M40年卒)
 今回、「彦機会」立入副会長の会社とビジネス上のお付き合いがある関係もあって、立入副会長のお世話・ご尽力で、はかる( 重量計測 )をコアとし、その技術を電子化することで飛躍的に技術開発のフィールドを広げ、その技術で今も活躍分野を拡大し続け、躍進されている(株)イシダ様の滋賀事業所を訪問しました。
  会議室に於いて、本社人事課課長増田博行様の司会で、進行されました。
 1)参加者一同の自己紹介、 2)「彦機会」を代表して立入副会長の挨拶、3)(株)イシダ様を代表して滋賀事業所所長代理得津治範様のご挨拶、4)会社案内VTRの映写、5)第四製造課課長による会社説明を受けた後、2班に別れ、小川生産部門参事と製造課長の案内で工場を見学させていただきました。 その概要は以下の通りです。
  尚今回は、滋賀県大の学生就職支援G統括の杉野様と県大の学部及び大学院の学生8名が参加され、又(株)イシダ様に就職されている県大OBのH16年度卒(H17/3卒)万木 太様、H20年度卒(H21/3卒)岡本裕司様も出席されました。学生・卒業生が共に行事に参画するという意味で、同窓会活動としては大変有意義な会社訪問であったと思います。

日時: 2011年7月7日(水) 13:20〜16:30
場所: (株)イシダ 滋賀事業所 (〒520-3026 滋賀県栗東市下鈎959番地の1)
参加:
(敬称略)
杉野和彦(滋賀県大 学生就職支援G統括)、藤本健一(湖風会 就職支援)、森田智行・村瀬史哉・山本信治(以上3名県大院生1年生)、小幡俊祐・奥野剛志・児島ひとみ・上野翔太・坂井和正(以上県大学部4年生)、
都築正之(工専22M卒)、藤田正紀(S33M卒)、内片武治(S35M卒)、国領朝輝・山中清輔・福岡亮・
高木正宣(以上4名 S36M卒)、山添栄造(S37M卒)、安田 淨(S39M卒)、藤浪市郎・西野重夫・平尾与八(以上3名S40M卒)、立入勘一(S41M卒)、小池 元(S61M卒) 計24名。
■ 会社概要
商  号 株式会社 イシダ    http://www.ishida.co.jp/
主な沿革
(株)イシダ 滋賀事業所の正門
<(株)イシダ 滋賀事業所の正門>
・1893年(明治26年)創業
・1948年(昭和23年)株式会社石田衡器製作所設立
・1968年(昭和43年)滋賀事業所(滋賀工場)竣工
・1972年(昭和47年)世界初のコンピュータスケール完成
・1985年(昭和60年)イシダ・ヨーロッパ設立(英国)
・1987年(昭和62年)イシダ・アメリカ設立(米国)、物流システム
  「IDAS」発表、物流分野に本格参入
・1988年(昭和63年)POSシステム「i.Pro21」発表、POS市場に
 本格参入
・1989年(平成元年) イシダ・インターウェイ設立(米国)
・1890年(平成 2年) イシダ・ド・ブラジル(ブラジル)・イシダ・アジ 
 ア(シンガポール)・ イシダUSA(米国)設立
・1991年(平成 3年) イシダ・ヨーロッパ・オランダ支店設立(オランダ)
・1994年(平成 6年) 指定製造事業者認証取得
・1996年(平成 8年) デスコム新工場竣工(韓国)、マレーシア事務所開設
・2000年(平成12年) 上海石田電子衡器有限公司設立
・2004年(平成16年) X線異物検出装置IXシリーズ発売
・2005年(平成17年) イシダ・カナダ設立(カナダ)
・2007年(平成19年) イシダ・コリア(韓国)、イシダ・インド(インド)設立
資 本 金 99,630千円
所 在 地 本社―京都市左京区聖護院山王町44番地
工  場 滋賀事業所―滋賀県栗東市下鈎959番地の1   敷地面積―23,000u、建物面積―18,000u
           海外生産拠点―英国・中国・韓国・ブラジル
従 業 員 イシダ単体―1,336名、グループ全体―2,755名(2011年6月21日時点)
年   商 イシダ単体―519.6億円、連結売上高―710.9億円(2011年3月決算)
主な製品
5つの価値を提供する製品
 【計 量】:コンピュータスケール(組合せ計量)、自動計量(計数)システム、電子ハカリ
 【包 装】:計量包装値付システム、自動包装機、給袋式自動包装機
 【検 査】:X線異物検出装置、重量選別・検査装置、金属検出機
 【表 示】:ラベルプリンタ、電子棚札システム、ラベル発行ソフト
 【情 報】:POS、レジスター、セルフレジシステム、食品工場支援システム、廃棄物計量システム
主な製品(詳しくはサイトまたは、カタログ等を参照ください)
【計 量】 【包 装】
コンピュータスケール(組合せ計量)
<コンピュータスケール(組合せ計量)>
デジタル演算はかり
<デジタル演算はかり>
自動計量包装値付け機
<自動計量包装値付け機>
【包 装】 【検 査】 【情 報】
汎用縦型ピロー包装機
<汎用縦型ピロー包装機>
X線遺物検出装置
<X線遺物検出装置>
POSシステム
<POSシステム>
内容及び所見
1)

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3)



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7)
見学は、コンピュータスケール(供給システム、袋詰め、箱詰め装置の周辺機器を含む)の組立てラインX線異物検出装置、及び計量包装値付装置のデモンストレーションが主な内容であった。
潟Cシダ様が現在のような高い業績を挙げられるようになった礎は、なんと云ってもコンピュータスケール(組合せ計量)の開発・商品化にある。本館1階のロビーにその1号機(ACW-M-1)が展示してあったが、計重センサーは差動トランス方式でアナログコンピュータを使用したものであり、現在のものとは隔世の感がある。
計量器は8個で256通りの組合せが出来る。当時の価格は三百数十万円であったが、ピーマンの計量では人間13人分の性能を発揮し、半年から1年で償却が出来たそうである。
]線異物検出装置のデモでは、アルミ箔に梱包されたペレタイズされた粉ミルクで実演があった。
金属・石・ゴムなどの異物が検出出来、その検出性能はSUSで0.3mm球、]線の透過度が被検査体と同程度のものや、透過度の高いもの(毛髪など)の検出は出来ない。又、毒物のような化学的なものの検出は不可能である。
基準適合証印
<基準適合証印>
潟Cシダ様では、1994年に指定製造事業者認証の取得をされている。このため計量法に基づく検定を自社内で行ない基準適合証印を自社で打刻できるようになり、生産計画が効率的に立てられるようになったとのこと。この検定は、日本国内でも緯度・経度によって重力の加速度が異なるため、どの地区に出荷するかが決まらないと最終的な組立・検定が出来ないという悩みもあるとのこと。地区別に決まる前の形でストックすることにより、在庫量を減少する努力をされている。
 因みに、北海道地区(M2)はg=9.803〜9.807、沖縄地区(M15)は、g=9.789〜9.794で、関西地区(M10)はg=9.795〜9.799である。北と南の端では約0.2%の差がでる。 検定は夫々のgに適合した基準分銅を使用する。
現在潟Cシダ様では、生産革新・改革の取組みを推進されている。
売り方、売れ方に合わせたモノづくり/IMPACT研究会 ※で、あるべき姿(生産のパターン化)を決め、理にかなった生産の仕組み、理にかなった調達の仕組みを研究・実践されている。現場ではカンバン方式が導入され、品質管理面では「見える化」が図られていた。
 ※IMPACT研究会―SHIDA arket in roductiv ACTion plan
セル生産方式を採用している組立て現場では、ポカミスを避けるための「デジタル屋台」が導入されていた。これは、作業手順書を電子化(デスプレー表示)し、その工程で必要な部品を格納した部品棚をランプで表示、使用する工具(電動ドライバ)にもランプ表示し、その作業が終了すると手順書が次の工程のものに変るというものである。
潟Cシダ様では、昨年社長が交替された機に、従来から受け継がれている経営理念を再整理・体系化して、
 ◆目指すべき姿として
   『世の適社・適者』―世界の人々に喜ばれ、世の中に必要とされる存在である。
 ◆企業理念として
   『三方良し』―自分良し、相手良し、第三者良し。
 ◆行動規範として
   『異体同心』―異体同心なれば、万事を(じょう)
   『三現主義』―現場に行く、現物を見る、現実を知る
   『Speed!Speed!Speed! 』―巧遅は拙速に如かず
   『智徳一体』―高い専門性と豊な人間性
   『志!そして日々前進』―意志あるところに道は拓ける
という「ISHIDA Mind」を制定し、従業員に徹底を図るため、ハンドブックにして全員が携行し常に振り返りをしているとのことであった。
 やがて創業120年になろうとする伝統のある企業であるが、トップを中心に目標に向かって邁進する求心力、想いを行動に繋げる若さを感じた。



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潟Cシダ滋賀事業所・参加の皆さん
<潟Cシダ滋賀事業所・参加の皆さん>
立入副会長の挨拶
<立入副会長の挨拶>
滋賀事業所 得津所長代理のご挨拶
<滋賀事業所 得津所長代理のご挨拶>
第四製造課課長よる会社説明
<第四製造課課長よる会社説明>
第四製造課課長よる会社説明
<第四製造課課長よる会社説明>
会社の概要説明を聞く参加の皆さん
<会社の概要説明を聞く参加の皆さん>
左から質疑応答の小川参事、製造課長、滋賀県立大学卒の万木・岡本様
<左から質疑応答の小川参事、製造課長、
滋賀県立大学卒の万木・岡本様>
潟Cシダ滋賀事業所見取り図
<潟Cシダ滋賀事業所見取り図>
本館1階のロビーのコンピュータスケール(組合せ計量)1号機を見学
<本館1階のロビーのコンピュータスケール(組合せ計量)1号機を見学>
<編集後記>
 1893年(明治26年)の創業以来、ハカリメーカーとして日本経済、産業技術の発展と共に先進の計量技術で社会貢献をされ、近年はただ単なる計量のみならず、高い計量技術力のもと包装、検査、表示、情報の分野に事業領域を拡大され、お客様に信頼と満足を提供する企業として発展してこられましたことを改めて認識をいたしました。
  また、昨年新社長のもと、従来から受け継がれている経営理念を再整理・体系化し、永続と発展を目指すため、その目指すべき姿(「世の適社・適者」)、企業理念としての近江商人の「三方良し」、行動規範など「ISHIDA Mind」を制定され、目標に向かって社会に貢献する企業としての意気込みを強く感じました。
 今回工場見学しましたとき、どの社員の方からも気楽に笑顔で挨拶をされ、大変気持ちよく見学をさせて頂きました。このことにも「ISHIDA Mind 」(「お客様第一」)が徹底されていると、大変感銘を受けました。
 最後になりましたが、本社人事課課長増田様、滋賀事業所所長代理得津様、生産部門参事小川様、第四製造課課長には、ご丁寧な会社概要の説明、工場案内をして頂きましたことに、心より厚くお礼申し上げますと共に、今後ますます御社のご発展を心からお祈り申し上げます。
 また、滋賀県立大学卒の万木様、岡本様には現役の学生からの質問のよきアドバイスもして頂き、有難うございました。今後、「ISHIDA Mind」のもとますますのご活躍をお祈りします。 (山添記)
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