戻る
株式会社片岡製作所 訪問記
報告:藤浪 市郎(M40年卒)
㈱片岡製作所レーザ工場
<㈱片岡製作所レーザ工場>
 今年度は、京都市にあるレーザ加工システム、電池検査システム・二次電池製造システム、太陽電池製造装置、液晶製造装置などで顕著な業績を挙げられているオンリーワン企業である株式会社 片岡製作所様を訪問・見学させて頂きました。
 昨年に引き続き滋賀県立大学工学部機械システム工学科3回生の学生諸君のカリキュラムとしての工場見学の扱いでもあったので、見学者が66名の大勢であった。
 多人数での訪問であったが、事前の計画・準備が周到になされ4グループに分かれて効率的な見学が出来ました。 (株)片岡製作所様のスタッフの皆様に感謝申し上げます。
 尚、冒頭2012年滋賀県立大学材料科学科卒の能勢 滋史様(生産本部 技術部 電気課)から挨拶がありました。
日 時: 2014年7月10日(木)14:30~17:00
場 所: (株)片岡製作所 レーザ工場・久世工場(〒601-8203 京都市南区久世築山町203-2)
参 加:
(敬称略)
・滋賀県立大学 工学部 機械システム工学科 3回生学生 54名
・滋賀県立大学 工学部 教員; 安田教授、大浦准教授
・「工学部学友会」;立入、国領、林、藤田、内片、山添、谷川、松下、長谷、藤浪   以上 66名
■ 会社概要
商    号   株式会社 片岡製作所  Kataoka Corporation  http://www.kataoka-ss.co.jp/
主な沿革 ・1968年(昭和43年)株式会社片岡製作所 設立
・1972年(昭和47年)機器組込型直流安定化電源のシリーズ化
・1973年(昭和48年)高圧直流安定化電源を開発、受注開始
・1976年(昭和51年)直流安定化電源R型56機種、RE型28機種のシリーズ化
・1978年(昭和53年)マイコンシステムを開発
・1981年(昭和56年)産業用ロボットを開発
・1983年(昭和58年)液晶ガラス基盤搬送装置の受注開始
・1984年(昭和59年)光多重通信装置を開発
・1985年(昭和60年)FAS(Flexible Assembling System)を開発
・1986年(昭和61年)YAG レーザ加工機でラザック社(スイス)と提携
・1987年(昭和62年)YAG レーザ加工機を開発
・1990年(平成02年)ニッケル水素電池充放電検査装置の受注開始
・1993年(平成05年)リチウムイオン二次電池充放電検査装置の受注開始
・1997年(平成09年)久世工場完成
・2001年(平成13年)先端レーザ研究所開設、ハイブリッドLDYAG レーザKLY-HP300α開発
・2002年(平成14年)LDYAG レーザKLY-Q200α開発
・2003年(平成15年)LDYAG グリーンレーザKLY-QG30α開発
・2004年(平成16年)LDYAGレーザKLY-QV10α・KLY-QG10α・KLY-QV5α・KLY-QG70α開発
・2005年(平成17年)微細レーザ加工機KLM-QV10α開発、ハイブリッドLDYAG レーザKLY-HP600β開発
・2006年(平成18年)ハイブリッドLDYAG レーザKLY-HP450α開発
・2007年(平成19年)YVO4 グリーンレーザKLY-QGS5α開発
・2008年(平成20年)久世第二工場完成、LDYAG レーザKLY-SQ350α開発、レーザ工場完成、台湾サポートセンター(TSC)開設
・2009年(平成21年)久世第三工場完成、上海片崗貿易有限公司設立、レーザ工場増床、ピコ秒レーザ発振器開発
・2010年(平成22年)久世第四工場完成、KATAOKA Europe S.r.l.設立
・2011年(平成23年)台湾片岡股份有限公司設立(台湾サポートセンターを現地法人へ)、株式会社韓国片岡設立、株式会社セイワ技研買収
資 本 金 4億8,570万円(2014年1月現在)
所 在 地 〒601-820 京都市南区久世築山町140
事 業 所 先端レーザ研究所、レーザ工場、久世工場、久世第二工場、久世第三工場、久世第四工場
関連会社 株式会社セイワ技研(各種電池の特性試験装置、充放電検査装置の開発・製造)、台湾片岡股份有限公司、上海片崗貿易有限公司、株式会社韓国片岡、KATAOKA Europe S.r.l.
従 業 員 165名(2014年1月現在)
主な製品 【レーザ加工システム】
レーザを用いた、切断・穴あけ・スクラビング・トリミング・マーキングなどの加工を行うシステム。
微細加工(3μの穴あけ、パターン間隔30μ等)、難加工性素材への加工(ダイアモンド、サファイア等)が可能等の特徴があり将来性のある加工システムである。
その構成要素は、発信器・加工ノズル・加工テーブル(NC制御)である。ワークをテーブルで移動させず、レーザをミラーを使って制御するガルバノスキャナ方式も生産されている。移動体の慣性が小さいのでスピードが上げられる。同社では、顧客のニーズを素早く具現化する為、レーザ試験工場に29台の各種レーザ加工試験機を備え、顧客と一緒になって最適な加工システムの提案をなされている。
携帯電話用電池のアルミケースの溶接装置の同社のシェアーは80%を超えるとのこと。また、レーザを使用しコンベア上をランダムに流れる錠剤に24万錠/Hのスピードでマーキングする装置も製造されている。
当日、久世工場4Fの試験工場、及び1Fでレーザ加工機を見学できた。
【二次電池検査システム】
リチウムイオン電池等の一貫検査システムで、IR/OCV測定・充放電検査などを行いデータ管理は勿論、電池パレットの搬送、自動倉庫まで含む検査システムを構築されている。 レーザ工場3Fにて現物の見学と説明を受けた。
【太陽電池製造システム】
ガラス板にシリコン他の薄膜を形成し、レーザスクライブ装置でセル(太陽電池素子)を作り出すもので同社のレーザ加工技術が遺憾なく発揮されている。
2014年度は世界で太陽電池が40Gw(原発1基で1Gwの発電容量)を設置されると予想されるが、内
日本が8Gw、中国が12Gwで半分を占めている。 レーザ工場1Fにて現物の見学と説明を受けた。
【液晶製造装置】
液晶パネルの点灯検査装置、レーザリペア装置、搬送装置等の装置である。 レーザリペア装置は、液晶パネル製作時に発生する欠陥(高輝度部)をミクロンオーダーでピンポイントでレーザを照射し黒点化する装置で同社のシェアーは極めて高い。
【二次電池製造システム】
バッテリーカーの活用が 注目されています。そのエネルギー源であるEV用二次電池は 大容量・高品質化が求められており、よりすぐれた製品開発を支援し、パートナー企業として キメ細やかな協力体制を展開されている。その他、同社の固有技術を生かしライフサイエンスフィールド(医療・バイオ)の研究開発・商品化も手掛けられようとされている。
見学及び所感ほか      
  1. 工場見学後、片岡社長から会社の概要、製品紹介、経営方針、更には学生諸君に向けて期待などを約30分お話頂いた。
    その中でGlobal Niche Top(GNT企業)を目指していると明確な指針というか目標を示された。工場の見学及び同社の製品を見たとき、同社の固有技術の高さは誰の目にも明らかであるが、加えて経営トップの強い信念に基づくリーダーシップがあれば、必ずや近い将来GTP企業に名を連ねられると感じた。(現在京都府では、(株)堀場製作所、TOWA(株)、(株)イシダの3社)レーザに関しては1986年ラザック社(スイス)と提携し開発をされているが、わずか30年足らずで次々新製品を開発し、世界のトップレベルまで技術を進化された片岡社長のリーダシップに敬意を表します。
  2. また、片岡社長のお話の中で、経済・技術が国を超えてグローバル化している中で、近年の学生諸君が海外に留学することを望まない人が多くなったことを憂いておられた。学生の留学のみならず企業に入っても海外赴任を避けたがる傾向もあるやに聞く。根底に語学の問題があるのかも知れないが、若さの特権である失敗を恐れずチャレンジする気概が薄れて来たのかも知れない。
    海外といえども好かれるのは国内と一緒で誠実で、相手の立場に立って考え行動できる人だと言われる片岡社長の訓示を学生諸君はかみしめて欲しい。
  3. 片岡製作所の開発方針に
     ① Global Niche Topを目指す。
     ② 期間の短縮
     ③ 持つ技術と出来る技術 を挙げられている。
     この内③の持つ技術とは、片岡製作所保有の技術を指し、出来る技術とは他社との連携で、自社の技術と他社の技術を融合させ、製品の幅を広げ、期間の短縮を図ろうとするものである。
    この為には、連携する他社にとっても片岡製作所と組むことがメリットにならなければ一方的に連携を申し込んでも実現は困難であろう。やはり片岡製作所の持つ技術が他にない独自性とレベルの高さがある故可能になることであると感じた。
    また、このことのみならず、顧客と一緒になってテスト加工しシステムを構築するためのレーザ試験工場に設備投資されていることをみても、真のニーズ・情報を正確に把握し、製品開発を進めていくという基本姿勢が感じられた。

画像をクリックすると拡大表示します(戻りは画像、又は「Back」をクリック)

<対応して頂いた役員・スタッフの方と参加の皆さん>

<見学会開催の挨拶(司会者>

<立入会長の挨拶>

<立入会長の挨拶>

<県大材料科学科卒 能勢様の挨拶>

<片岡社長の挨拶、会社概要説明>

<片岡社長の挨拶、会社概要説明>

<ご案内いただいた役員・スタッフの皆様>

<株式会社 片岡製作所本社>

<㈱片岡製作所 レーザ工場>

<㈱片岡製作所 久世工場>

 今回の(株)片岡製作所様の会社訪問では、66名という大勢の見学を受け入れて下さいました。 事前に周到な見学スケジュールを立てて頂き、円滑に見学をさせて頂きました。
 また、片岡社長にはお忙しい中時間を割いてお話し頂いたこと、また、ご担当者には丁寧な説明・案内を頂き本当にありがとうございました。 改めて謝意を表します。

ページのトップに戻る
TOPページに戻る