兵神装備㈱ 滋賀事業所
兵神装備㈱ 滋賀工場
昨年に引き続き滋賀県立大学工学部機械システム工学科３回生の学生諸君のカリキュラムとしての工場見学でもあり見学者が63名の大勢となりました。
滋賀事業所の工場総務グループリーダー 部長土屋和敬様をはじめ県立大卒OB社員、見学案内の方々の皆様には大変お世話になり感謝申し上げます。
◆日 時：2016年7月7日（木）14：00～17：00
◆場 所：兵神装備株式会社 滋賀事業所
〒529-0261 滋賀県長浜市高月町東物部 1020
◆参 加：・滋賀県立大学 工学部 機械システム工学科３回生学生50名
・滋賀県立大学 工学部 教員： 安田教授、栗本助教
・湖風会 会計担当役員（敬称略）：大森晢夫
就職支援担当役員（敬称略）：植田儀一郎
・「工学部学友会」（敬称略）：立入、国領、内片、藤田、山添
松下、奥、長谷、若林、 以上 63名
滋賀事業所 会社訪問の概要
● 商 号：兵神装備株式会社 http://www.heishin.jp/index.html
● 主な沿革：1968年（昭和43年）1月16日設立
1969年（昭和44年）10月：ヘイシンモーノポンプ第1号機納入
1973年（昭和48年）9月：滋賀工場（現 滋賀事業所）事業所竣工
1986年（昭和61年）1月：ヘイシンロボディスペンサー第1号機納入
1988年（昭和63年）3月：粉体用ヘイシンモーノポンプ第1号機納入
2001年（平成12年）9月：滋賀工場、国際規格ISO14001の認証取得
2004年（平成16年）12月：技術研究所竣工
2007年（平成19年）4月：ヘイシンテクノベルク㈱テクニカルセンター竣工
2013年（平成25年）12月：韓国にHEISHIN KOREA Co.,Ltd設立
● 資 本 金 ：9,950万円
● 所 在 地 本社・工場：〒652-0852 神戸市兵庫区御崎本町1-1-54
・営業拠点：東京支店、仙台オフィス、さいたまオフィス、横浜オフィス、名古屋営業所、滋賀オフィス
大阪支店 、福岡営業所、台湾事務所
・開発・製造拠点：滋賀事業所、技術研究所
・サービス拠点 ：東日本サービスセンター、サービスアネックス
●関連会社：ヘイシンテクノベルク株式会社、HEISHIN KOREA Co.,Ltd
● 従 業 員 ：372名（2016年1月1日現在、連結）
● 年 商：103億円 （2015年12月期、連結）
● 業務内容：産業用ポンプ（ヘイシンモーノポンプ）及び周辺機器の開発製造・販売
＜主な製品の一例＞
標準タイプのNY・NE型
粉体用モーノポンプPNS型
ヘイシンディスペンサーND・HD型
＜ヘイシンモーノポンプの構造と原理＞
ヘイシンモーノポンプの構造
ヘイシンモーノポンプは、回転容積式一軸偏心ねじポンプに分類されるポンプで、無脈動・定量移送ができる。モーノポンプの心臓部は雄ねじにあたるローターと雌ねじにあたるステーターからなり、ステーターの中にローターが差し込まれると、その隙間に「キャビティー」という独立した一連の密閉空間が形成される。ローターがステーター内で回転することにより、強い吸引力を発生させながら、キャビティーが吐出側へと移動する。つまり、キャビティー内に吸い込まれた液体は、密閉された空間ごと、前へ、前へと連続移送されていく。キャビティーの断面積は、ローターの位置に関わらず、どの瞬間でも一定であるため、吐出される量も常に一定になり、時間あたりの吐出量はローターの回転速度に正比例する。また、ローターの回転方向を反転させるだけで、吸込・吐出の方向を逆にすることができる。様々な液体の移送・充填・注入・塗布に携わる産業用ポンプで、高粘度・高濃度液の移送に特に威力を発揮し、加えてＵＶ樹脂などの変質しやすい液や具入りスープなどの固形物を含んだ液、さらにはトナーなどの粉体までも高精度に定量移送することができる。自動車や電子機器などハイテク分野にも活躍の場を広げている。 詳しくはこちらのWebサイト
●スケジュールと概要について
土屋部長の司会で開会
- 14：00 開会（「工学部学友会」立入会長の挨拶）
開会に当たって立入会長の挨拶があり、学生諸君には「オンリーワン企業である兵神装備さんの工場は、きっちりと5Sも実施されて綺麗ですし、常に好奇心を持ってしっかりと見て学んで欲しい」と要望された。 - 14：05 兵神装備㈱ 紹介（ＤＶＤ、ビデオ）
社内で作製されたDVDにより会社概要が紹介されました。ヘイシンモーノポンプ・ディスペンサーなどの製品概要と構造、モーノポンプの組立方式（セル方式）、信頼性を上げる検査体制、サポート体制、研究開発体制など、これからも研究開発企業であり続けたいとの概要でした。 - 14：20 技術開発型企業の歩み 技術部企画・管理グループリーダー部長 山根哲男様（1985年卒）
・「独自流体移送技術の研究開発企業の歩み」について1948年の創立当時から現在に至るまでの研究開発の歩みについて説明がありました。
・県大卒OB社員の業務紹介（技術者のやりがい、楽しさ）について、高岡一広様（2010年卒）、武田暁洋様（2011年卒）、野田寛記様（2013年卒）より自己紹介、定常業務や特命業務の具体的な内容、技術者としてのやりがいについて説明がありました。
モーノポンプの組立工程
- 15：00 工場見学（4グループにて）
4グループに分かれて、技術研究所（室温の影響を排除し高精度な試験データが採れる「環境試験室」、複数の大型ポンプ部品の能力テストが24H体制で行えるテスト場など）、 工場にてローターの加工・モーノポンプの組立工程、塗装工程、検査工程、梱包工程、モーノポンプの標準補修部品管理のパーツセンター、食堂などを見学しました。 - 16：00 県大卒OB社員との懇談会（質疑応答形式にて）
学生諸君から「学生時代に何を学んでおけばよいか？」「学生時代に学んだことで役に立ったことは何か？」「モーノポンプで送れないものは何があるか？」「ワイン（アルコール）は送れるのか？」など活発に質問があり、OB社員より丁寧な説明がありました。 - 16：30 リクルート情報の紹介
人事担当者から「会社概要」「しごと」（技術・営業・情報システム職など）「研修制度」「住宅制度」「就活に関する情報」などの説明があり、学生諸君から質問もありました。 - 16：50 閉会（「工学部学友会」奥満男理事の挨拶）
閉会に当たり奥理事より会社訪問のお礼と顧客満足度の重視、研究開発型企業によるオンリーワン、社員重視、環境型企業として地域にやさしい環境面での貢献（地下水の利用）などの取り組みに改めて実感することができました。また、学生諸君にはこの会社訪問で学んだことなどを活かして頑張って欲しいとの話をされた。 - 17：00 記念写真の撮影
●見学の所見（感想）について
- 企業理念「独自の難液移送技術と創意で、あらゆる産業社会のお役に立つ」のもと、顧客満足度を最大化に努められ 、難液移送技術と製造技術のエキスパートを追求する研究開発型企業として社会に大きく貢献され、モーノポンプのオンリーワン企業として高収益の経営をされている優良企業であること。
- 国際環境ISO14001を認証取得され研究所には太陽光発電システム、工場全体の空調には地下水を利用した冷暖房システムの導入、製造工程では製品塗装の粉体塗装化など環境に配慮した取り組みがされていたこと。
- 社員重視の経営運営をされ、人材育成の推進や職場環境の良化に力をいれておられることを実感したこと。
- 工場内の職場環境には5Sが徹底的に実施されて大変綺麗であったこと。また、職場の小集団活動（QC活動）が実施され、その状況が綺麗に作成されたパネルで目に見えるように展示されていたこと。
- ホームページには、ポンプに関する専門用語や周辺機器、移送物についてコラム形式で解説する「移送の学び舎」やモーノポンプにひと工夫を加えることで発見した新しい活用法「モーノポンプ＋ひとくふう」が掲載されている。また、エンジニアブック技術データ集も詳しく分かりやすい技術資料として提供されていてユーザーのエンジニアにとっては大変参考になるものであること。
- 機械システム工学科３回生学生の感想（抜粋）は こちら
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会社訪問に参加のみなさんと県大卒OB社員
開会に当たって挨拶の立入会長
技術開発型企業の歩みを説明される山根部長
工場見学に向かうみなさん
OB社員との座談会（質疑応答）
OB社員との座談会（質疑応答）
質問に応答されるOBの高岡様
閉会に当たり挨拶の奥理事
閉会の挨拶を聞かれるスタッフのみなさん
＜編集後記＞
今回、ヘイシンモーノポンプの構造と原理や様々な普通液体から高粘度・高濃度の液体、固形物を含んだ液体、粉体など幅広く定量移送ができることを学ぶことができました。また、社会に貢献することを第一に、研究開発型企業として立派に経営され高収益をあげられていることに大変感心いたしました。
県大卒OB社員より現状業務や技術者のやりがいや楽しさなどについての説明や工場見学などを通じて、学生諸君が、これから就活する上でも、また社会に出て人生を歩むにあたっても勉強になったと思います。是非とも頑張って欲しいと思います。
最後になりましたが今回、大変お忙しい中、事前の計画・準備をしていただき、スムーズに有意義な見学が出来ました。 改めて兵神装備株式会社滋賀事業所の皆様には厚くお礼申し上げますとともに、今後ますます御社のご発展を心からお祈り申し上げます。本当にありがとうございました。（山添記）